■ インテリア計画
□ 維持管理の計画
− 1 − 維持管理とは
維持管理とは、建物、設備、外構などの機能を適切な状態に維持する目的で行われる保全の諸活動、ならびに関連業務を効果的に実施するための管理活動です。
その目的は、おおよそ以下のとおりです。
・建物各部位の機能、機器の性能を保持し、長期にわたる使用を図る。
・住環境の安全、衛生の確保と公害の発生防止。
・事故、故障の発生の予知と防止。
・省資源、省エネルギーの達成。
・損傷、老朽化及び機能低下の防止。
これらの目的を達成するために、管理制度や組織の確立と効果的な点検、整備、修理などの保全基準を規定することや、経済的側面からは、社会環境の変化に対応する評価基準が必要となります。
なお、最近では地球環境という観点からも、重要しされてきている省資源等の問題もあります。
その1つが、維持管理を含めた建物の素材から建築、使用、廃棄に至るまでのトータルエネルギー(ライフサイクルエネルギー)の考え方であり、適切な維持管理によって、建物の耐久性を伸ばすことは、LCEの節約に大きな効果をもたらします。
維持管理の役割は、これからますます大きなものとなるでしょう。
さて、具体的な維持管理の仕事は、次ぎのように分けられます。
(1) 保守・点検
対象物の形状、性能などを一定の方法で確認し、必要性能を満たさないものには改善策ほ講じます。
改善しても性能基準に達しないものには、修繕対象としてリストアップします。
保守・点検作業は、管理者による日常点検と、法的規定に基づく定期点検とに分かれます。
定期点検は、安全衛生の立場から、重要度の高い対象についても定期的な保守、点検をすることが法的に定められたものです。
(2) 清掃・衛生
対象のゴミ、ほこり、および汚れを取り除くことをいいます。
生活環境の衛生管理には、空気環境の調整、給排水の水質管理、ネズミ、昆虫の防除などが必要となります。
これらについては、「建築物における衛生環境の確保に関する法律」に基づく施工例、施工規則や建築基準法などに基準が定められています。
(3) 修繕・模様替え
材質の劣化や機器の性能低下を、新築時の性能を上限として快復させる保全行為をいいます。
− 2 − 耐用年限
経済的投資効果という観点から建物を考えると、維持管理に費用をかけ、寿命を延ばすことは、必ずしも得策ではないという考え方があり、耐用年限にも注目しなければなりませんね。
耐用年限は、物理的損耗や、機能上、さらに経済上の条件を考慮して規定されていて、一般的に次ぎのような種類があります。
(1) 物理的耐用年限
建設後の使用や時間の経過によって、使用に耐えられなくなったり、危険な状態になるまでの期間。
(2) 機能的耐用年限
建物などが、社会経済活動、生活様式の変化などに対応できず、その機能の相対的低下によって便益、効用が得られなくなるまでの期間。
(3) 法的耐用年限
国の税法上、または企業の不動産に対する減価償却などを目的として定められた期間。
(1)(2)の耐用年限は、部位や使われ方により、また周囲の環境および維持管理の程度、人の心理的評価などによっても違ってきます。
法的耐用年限には、税法による建物の構造別耐用年限や、財務省令による用途別構造別の耐用年限があります。
− 3 − 維持管理の運営
建物が安全・便利・快適な生活の場であるためには、維持管理の仕事を業務上、組織上うまく運営していかなければならなりません。
運営をシステマチックに行うには、次ぎの点に注意します。
(1) 保守・管理基準の明確化
(2) 作業内容・作業主体の明確化
(3) 維持管理者の役割の明確化。
特に集合住宅の場合は、所有者や管理者の立場が曖昧で、維持管理の処理や解決に支障を生じることが多いですね。
そのため、住宅・都市整備公団では、修繕の周期を規定しています。
民間マンションなどにおいても、購入時に販売者側から、維持管理の基準が示されることが普通になってきています。
また、維持管理には、清掃費、保守点検費、修繕費のほかにも、損害保険費、減価償却費、支払い利息などさまざまな費用がかかる場合があって、その総額はかなりな金額になることもあります。
近年では、建物の一生にかかる費用をあらかじめ算定して、維持管理計画をたてておくことが必要となります。
ちなみにこのコストをライフサイクルコストといって、イニシャルコストやランニングコストとともに、建物の経済的な評価指標になっています。
|
|
|
|