資格
第21回 インテリアコーディネーター資格試験
課題
次ぎの3課題について、論文試験用紙に記述しなさい。
記述に際しては、
1)明確な文字で 2)分かり易い文脈を組み立て
3)明快な論旨を 4)必要に応じ具体例をもって
5)各々の課題について250字以上350字以内でまとめて下さい。
課題−2
インテリアコンサルティングをするにあたって、顧客とあなたに大きな年齢
の差があり、顧客の考え方があなたの生活経験や価値観と違う場合、
どのように対応して問題を解決していくのが望ましいか、インテリアコーデ
ィネーターとしてのあなたの考えを述べなさい。
課題2−解答
顧客と大きな年齢差があり、考え方が自分の生活感覚や価値観と違っていると感じた場合は、まずはじっくりと顧客の考え方を聞くことから始めます。
そしてその考え方や価値観が、顧客の生活感覚や生理感覚にしっかりと根ざしたものであるか否かを判断します。
確固とした生活感覚に基づいた考え方であると判断したら、自分なりの思い込みを捨て、顧客の好みや感覚を聞き、相手の気持ちになってその好みと感覚でまとめた提案を、プレゼンテーションボードに表現し、提示します。
考え方や感覚が顧客と違っている時は、提案を視覚的に提示し、確認することが重要だと思います。
もし提案が顧客の感覚と合わない時でも、生活スペース提案のプロである立場を忘れず、根気よくコンサルティングし、最終的に満足してもらえる提案にもっていく努力が大切だと想います。
解説
「顧客との大きな年齢差」、多くのケースがそうだろうと思います。
一番「滑稽」なのは、そういった人生の先人に対して年若い
I C が自分の好みの押しつけセールスをしている場合です。
「こうでなければならない」、「こっちの方が良いですよ」、その判断が客観的に物事を判断しなければならない立場を忘れ、I
C 本人の「好き嫌い」に終始すると、当然、顧客との「信頼関係」は得られません。
それならば、まだ節操のないご用聞き的な「家具屋アドバイザー」の方が押しつけがましくない分、「まし」というものです。
「ご用聞き」、この言葉の響きはあまり良い印象はありませんが、ただ、「自分はご用聞きである」という姿勢も忘れて欲しくない一面です。
なぜなら、この「ご用聞き」が全身全霊でできないことには、次ぎのステージには上がれないからです。
「物知り」であることが一見「できる人」のように思われがちなこの業界ですが、現実では、実は真逆であることが多いのです。
「真面目」であることが人生では「大いなる武器」であることは以前述べましたが、知らないことは「知らないと言う」、知らないことは「聞く」、この姿勢が自分を、逆に「高み」へと導いてくれます。
まさにその「聞く姿勢」こそがコンサルティングの基本だからです。
コンサルティングとは、人にモノを教えることではありません。
決して大げさではなく、ある一定の期間、顧客の人生を生きるということでもあります。
コンサルティングは、まずは問題点を明らかにすることから始めます。
解決すべき問題点は、顧客の中だけにあります。
問題点は千差万別ですね、100人いれば100以上の問題点が出てきます。
まずは問題点を、ご希望を明らかにする必要があります。
「聞く」こと。しっかりと、「聞く」こと。
その姿勢さへ間違わなければ、相手が年上であろうが大金持ちであろうが、セレブであろうが、ビビる必要はありません。
「どうぞ私と一緒に、問題を解決しましょう。そのために私はできる限り力をお貸しします。」
こういった課題は、出題される可能性が常に高いものです。
理想を語っているように思えるかもしれませんが、その理想こそが
I C という商売を支える唯一の「柱」だと理解して下さい。
「柱」=「お金」です(笑)
そういった意味では、この課題が合格しない者は、I
C と名乗る、まさにその「資格のない」者だと私は思います。
生きている実感!ってやつです
課題−3
2階建住宅を新築する顧客から、「1階の台所の壁は自然素材を使い
たいので木板張りにしてほしい」との要望があった。この場合、建築基準
法に抵触する恐れがあると考えられるが、インテリアコーディネーターとして
どのように対応して解決していくのか、あなたの意見を述べなさい。
課題3−解答
室内空気汚染を考えれば、台所の壁も自然素材を使いたいのは当然だと思いますが、調理室、浴室等火を仕様する場合の壁・天井は、室内に面する部分の仕上げを防火上支障のないようにしなければならないと建築基準法で決められています。
木板ならば、非常に高いコストの防火加工した木板でなければ建築確認申請は許可されない旨を話し、自然素材にこだわるならば、キッチン設備前の壁は、天然素材かタイル(木質感覚のタイル)を張り、そのほかはプラスターボード下地の珪藻土の塗り壁等にすることを提案します。
また、塗り壁の汚れやメンテナンスが気になるなら、環境に配慮したケナフクロス等を張ることを勧めます。
どうしても木板を張りたい場合は、幅木ならば許可されるので、床から=300〜450程度まで、木板を縦か横に張る形を提案します。
解説
ケーススタディーとしては理想的な課題と解答だろうと思います。
机上でも現場でも、日本人が一般的に考える仕様はそんなに突拍子もないモノは出てきませんので、「問題」になりそうな課題は絞られてくると思います。
住宅の場合、マンションの場合などの建築基準法の適用箇所やその扱いなど、今一度目を通して理解しておく必要があると思います。
自分の勧めた提案が、法令違反なんて目も当てられないですからね(笑)
でも、
なりたての I C などは、「キラッキラ」した「夢」を描いて現場に飛び込んできますが、現実はそうそう「あなた」の活躍する場はありません(笑)
ぶっちゃけた話し、 I C はまだまだ現場では冷遇されています。
都市人口が多い地域だと「人手不足」的に補完され、それなりの自由がきく場合もありますが、地方の
I C は不幸だとさへ言えます。
別に「脅している」わけではなくて、まさに事実なんですねぇ。
作る側、例えば工務店などの人からは「インテリアの販売員」、あるいは「家具屋の出張」程度にしか見られてはいません。
「施主に余計なこと言って、面倒臭くするなっ!」
そんな感じです。
実際にその程度のインテリアのアドバイスしかできない者が多いので、当然な扱いと言えば当然だなどと私は思いますが、
もし「お遊び」的な理想を I C という職業に対して持っているのであれば、今からでも遅くないので、「やめた」方がよいでしょう。
傷つくのは「あなた」自身です。
顧客は「自分の理想を叶えたい!」 でも、目の前の
I C は頼りない。
作る側は「融通の利かない奴だなぁ。資金のある施主ならともかく、金もないのに高望みするな!って言っとけ!」なんてご都合を押しつける。
泣いたって許してはくれませんよ、「仕事」なんですから(笑)
I C はね、人並みの3倍勉強しなければならないし、ずば抜けたコミュニケーション能力が必要になります。
顧客をコンサルし、作る側と折衝しなければなりません。
作る側の都合を聞き、顧客を説得しなければなりません。
そして両者を円満に導かなくてはなりません。
ただコーディネートボードの上で、切り抜き遊びをしていれば良いわけではないのです。
もっとも、今そんなことを言っても想像もできないでしょうね。
鬼瓦みたいなおっちゃんに怒鳴りあげられ、顧客からは契約解除を告げられ、踏んだり蹴ったり、その上に蹴られ蹴られしなければ、なかなかに実感などわかないでしょう。
それでも這い上がってこれる者だけが、 I C
なんです。
そしてそんな I C の救いは、顧客の「笑顔」です。
生きている実感!ってやつですね。
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